「Yチェア」が寄り添う特別なひと時

2024.11.29

  • 築100年以上の日本家屋を活かしたオーベルジュ陶々亭。歴史を重ねた空間には、モダンであたたかみのある北欧家具や照明を合わせています。時代に左右されない優れたデザイン性と機能性を兼ね備えたアイテムは、年月を重ねるごとに味わいが増します。今回の日誌では、レストランHAJIMEで使用されている「Yチェア」についてご紹介します。

  • カール・ハンセン&サン社が製造するYチェアは、デンマークを代表する家具デザイナーのハンス・J・ウェグナーが手がけた椅子です。正式名称はCH24。1950年の発売以来、時代や国を超えて愛され続けています。普遍的な存在感があり、歴史を重ねた陶々亭の空間にも調和します。HAJIMEのお客さまの中にも、もともとYチェアを知っていたり、実際に自宅で使われている方もいて、お話が弾むきっかけとなっています。

  • 特徴的なのが、背もたれ部分の曲線の美しさです。デザイン性に優れているだけではなく、絶妙な角度で柔らかく背中を支えてくれます。ハンス・J・ウェグナーは、中国・明の時代の椅子をヒントにデザインしたそうで、かつて長崎唯一の中華料亭として愛された陶々亭との縁を感じます。また座面のペーパーコードや木目の美しいフレームなど、随所に職人技が発揮されています。

  • イタリアンレストランHAJIMEでは、12脚全てをYチェアで統一。またテーブルもハンス・J・ウェグナーがデザインしたものでまとめています。木の温もりを活かしたデザインは、古民家の空間にうまく馴染み、お客さまが親密に食事や会話を楽しむ雰囲気に自然と溶け込みます。

  • 実際に座ってみると、その座り心地と使い勝手の良さに驚きます。Yチェアはアームの下が空いているので、横を向いたり足をずらしたりする動作がスムーズにできます。食事の合間に隣の人の方を向いて談笑したり、一時的に席を外したりする際も全くストレスがありません。長時間座っていても疲れにくく、一品ずつじっくりと味わっていただくコース料理に適しています。

  • またもう一つ驚いた点が、その軽さ。ゆったりとしたカーブで包み込むようなデザインのYチェアですが、女性や年配の方でも軽々動かせるくらいの重さです。こうした何気ない部分に、世界中で愛される理由があるのかもしれません。

  • HAJIMEでは、一皿ごとに素材の持ち味を最大限に引き出したイタリアンのコース料理を提供しています。お客さまは会話やお酒を楽しみながら、時間を忘れてゆっくりと過ごされます。そうした特別なひと時に寄り添う椅子はとても重要だと考えていて、Yチェアはデザイン性・機能性ともに抜群です。食事や会話を堪能する合間に、ぜひYチェアにも注目してほしいと思います。