長崎くんちが奉納される「諏訪神社」に参拝する

2024.09.27

  • 長崎の総氏神様である鎮西大社「諏訪神社」。「お諏訪さん」の愛称で親しまれる、長崎市民にとって身近で大切な場所です。1648年に造営された社殿は荘厳で、境内周辺には昔ながらの茶屋や公園などもあります。そして諏訪神社といえば、毎年10月7日・8日・9日に行われる大祭「長崎くんち」が有名。期間中は多くの観光客や熱烈なくんちファンで賑わいます。今回は諏訪神社の参拝についてご紹介します。

  • 長崎市上西山町にある諏訪神社までは、陶々亭からタクシーで10分程度。拝殿手前の駐車場まで上がることもできますが、せっかくなので正面の鳥居から登っていきます。ちなみに路面電車は電停「諏訪神社」が最寄りとなります。

  • 5つの鳥居をくぐった先に見えてくるのは、73段もの石段。ここは「長坂」と呼ばれており、長崎くんちではこの長坂が無料の観覧席となります。ただし整理券はかなりの高倍率で、地元の方でも入手が困難。くんち期間中、階段下の踊り馬場では奉納踊りが行われます。ここで山車が回るのを想像しづらいほど狭い場所ですが、それだけ迫力と盛り上がりは格別です。

  • 長坂を登り大門をくぐって振り返ると、長崎らしい景色が広がります。斜面地に所狭しと建物が並ぶ様子は、まさに坂の街・長崎。

  • そして拝殿にて参拝します。諏訪神社には諏訪・森崎・住吉の三社が祀られており、厄除け・縁結び・海上守護の神社とされています。立派な建物は神聖な雰囲気が感じられます。火災により一度はほとんど焼失した社殿は明治2年に再建され、昭和の時代に増改築されたそう。

  • そして駐車場を抜けた先にある長崎公園の一角にたたずむのが、懐かしい店構えの「月見茶屋」。創業はなんと明治18年で、名物はうどんとぼた餅。どちらもほっとする、やさしい味わいです。諏訪神社に参拝したら、必ず月見茶屋にも立ち寄るという人も珍しくありません。窓からの景色は美しく、秋には紅葉が広がります。また公園内には日本庭園や長崎ゆかりの偉人の記念碑・石像、噴水などがあり、散歩コースとしても心地よい場所です。長崎らしい景色を楽しみながら、ゆっくりと坂道を下っていきましょう。

  • 諏訪神社は、厄払いやお宮参り、長崎くんちで訪れる特別な場所です。それと同時に、どこか日常の延長上にあるような親密さも感じます。長崎くんち期間中の華やかな賑わいも素晴らしいですが、それ以外の時にもぜひ訪れてほしい場所です。旅先で時間を忘れて、長崎の歴史・文化と深く繋がった神社を参拝する。そんな静かなひと時を満喫してはいかがでしょう。